遺言

遺言書を書いた方が良いケース

 「遺言書はどのようなときに書いた方が良いですか?」。よく伺うご質問です。しかし、私はいつもこう申し上げます。「残されるご家族のことを想われるなら、 どんなときでも書くべきです」と。

 なぜか。それは、なにかあっても本人にはどうすることもできないからです。本人はこの世にいないのですから。正確に言えば、遺言書を書いた方が良いケースは存在し ます。しかし、その状況でないからといって、書かない理由は存在しないと私は考えるのです。

 遺言書(特に公正証書遺言)を遺すには、ある程度の費用がかかります。しかし、将来にわたってご家族が仲良く平和に暮らしていくための保険料であると考えれば、決して高い ものではないと考えます。多くの方は、毎年、自動車の任意保険料を払っていると思いますが、それは何故でしょうか。普段は何もなくても、事故が起きてからでは遅いと考えているからでは ないでしょうか。相続も同じです。現状、家族仲が良く平和に暮らしていても、相続が発生すると人間が変わるケースはよくあります。家族同士がいがみ合ってからでは遅いのです。そうならない為の保険料だと思えば、逆に安いものだと考えられないでしょうか。

 

遺言(普通方式)の種類と特徴

 ・自筆証書遺言
  →遺言者本人が「自筆」で作成。パソコン、ワープロ作成不可。
   証人不要。
   裁判所の検認必要。
   内容、要件不備により無効になる可能性。
   内容の秘密を保持できるが、遺言書の真偽を巡って争いも。

 ・公正証書遺言
  →公証人役場で、公証人が「口述筆記」で作成。
   証人2名以上必要。
   裁判所の検認不要。
   公証人の法的チェックが入るため、無効の心配なし。
   少なくとも、公証人と証人2名には遺言書の内容を知られる。
   原本が公証人役場に保管されるため、改ざんされる心配がない。
   費用は、相続人の数、財産の額により変動

 ・秘密証書遺言
  →遺言書を密封し、公証人役場で手続。
   証人2名以上必要。
   裁判所の検認必要。
   氏名以外は、ワープロ等や代筆可。
   内容、要件不備により無効になる可能性。
   内容の秘密を守りつつ、改ざんされる心配もない。

 

 遺言書を確かに有効なものとするには、費用がかかりますが公正証書遺言を選択することをおすすめします。

 

相続手続

相続の基礎知識

 ・相続の大まかな流れ

 @相続の開始−被相続人の死亡又は失踪宣告
         ↓
 A遺言書の有無及び内容の確認
         ↓
 B相続人の調査及び確定
         ↓
 C単純承認、相続放棄、限定承認など相続の選択−知ったときから3ヶ月以内
         ↓
 D遺産分割協議及び遺産分割協議書の作成
         ↓
 E被相続人の準確定申告(所得税)−被相続人の死亡の翌日から4ヶ月以内
         ↓
 F税務申告(必要な場合)−被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内

 

遺産分割協議書の作成

 相続の開始により、相続財産は、相続開始の時から法定相続人全員によって法定相続分の割合で共有となります。そこで、個々の財産をそれぞれの相続人の所有として確定する手続が必要になります。このことを「遺産分割」と言い、この結果を書面にしたものを「遺産分割協議書」と言います。

 遺言書がある場合や法定相続分に従った相続する場合には、遺産分割協議書は不要です。 ただし、遺言書に記載されていない財産があったり、法定相続分以外の方法で分割する場合には、その財産について遺産分割をする必要があります。

 相続人は、被相続人が遺言によって5年を超えない期間の遺産分割を禁止した場合を除き、いつでも遺産分割協議を行うことができ、また、いつまでにしないといけないという期限もありません。遺産分割協議書についても、特に法律上の作成義務があるわけではありません。

 しかし、遺言書が無いなどの場合には、相続税の申告期限(被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内)までに遺産分割協議が整っていないと各種税額控除の特例(配偶者の相続税額軽減、小規模宅地等評価減など)が受けられず、また、延納や物納も出来ません。当然、各種税額控除を受ける場合の添付書類にもなっています。 作成義務がないからと言って、必ずしも作成しなくても良い書類ではありません。

 遺言書がないなどの場合には、後日の争いを避け、さらに上記特例を受けるためにも、期間内に遺産分割協議を行い、しっかりとした遺産分割協議書の作成をしておくことをおすすめします。

 

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